この演奏でスチールギターを弾いているのは、ホノルル生まれの日系二世で、ハワイ大学医学部卒という「バッキー白片」(1912~1994)です。この人は1937年に日本に帰化し、一躍スターになりました。戦時中は「敵国からの帰化人」として酷い扱いを受けていたようです。
戦前における最大のヒットは「On A Little Bamboo Bridge」(小さな竹の橋で)のようですが、この歌を戦後のハワイアン音楽をリードしていた「オッパチさん」こと「大橋節夫」(1925~2006)で聴きましょう。スチールギターとボーカルが懐かしの「オッパチさん」です。訳あっていろいろお世話になりました。
「バッキー白片」の戦後の大ヒットソングは「On a Tropic Night」(南国の夜)ですが、言うなればラテンリズムの歌謡曲ですからパス!むしろ特筆すべき功績は「エセル中田」という正統派ハワイアンの歌手を育て上げたことでしょう。